西荻塾中学部ブログ

【いよいよ来たか?中だるみ!】中高一貫校生の成績不振と対処法について〜中学2年生編

西荻塾の川上です。

当塾には例年20校ほどの中高一貫校の中学・高校生が通塾しています。
そのカリキュラムや進度、定期テストの難易度等は学校ごとに様々で、生徒さんとは随時相談をしているのですが、やはり中高一貫校ならではの共通する悩み(学習上の課題)が浮かび上がってきます。

そしてその悩み(課題)については、なんとなくやり過ごすこともできてしまうのですが、後で真面目に向かい合ったときには既に赤信号(最悪のケースでは進級・進学不可)、そんな生徒さん・保護者の方の相談をたくさん受けてきました。

今回は中高一貫校の「中学2年生」にフォーカスして、その対処法をご紹介したいと思います。

※中高一貫校に通うメリットは当然学習以外のこともありますが、本記事では学習上の話題としてご認識ください。
中学1年生については、こちらの記事をご覧ください。
中学3年生については、こちらの記事をご覧ください。

「中だるみ」は誰にでもありえます!

都立国立高校(数学満点)→東工大 髙岡講師

中高一貫校コースは「西荻塾で中だるみ回避!」を謳っておいてなんですが、「中だるみ」的な感情は、日頃から勉強を継続し、きちんと好成績をキープしている生徒さんについてもありえます。

発言内容が少々ゆるめになったり、一部の苦手教科から遠ざかったり、自習の頻度が減ったり…
表面的には見えにくいのですが、日頃からよくコミュニケーションをとっていると、生徒さんの気持ちが少しばらけてきた様子を感じ取ることができます(担当講師からも同様の感想が聞かれるようになります)。

「ああ、そろそろ中だるみの頃かな」と。

中学2年生のゴールデンウィーク前後から2学期くらいまでが「中だるみ」がちょうど表れ始めるタイミングでしょうか。
学校生活も2周目となり、あわただしい4月も超え、部活や趣味も楽しくなってきたし、ちょっと一息ついて自由にやりたい頃です。親御さんから精神的に自立し始めることも要因でしょう。

そんな青春ど真ん中の中学生が羽を伸ばして自由を満喫したくなる気持ち、すごく共感できると思いませんか?

しかしカリキュラムは容赦なく進みます…

そんなのびのびしたい気持ちの一方で、中高一貫生の学習内容は中学2年生佳境を迎え始めます
地元の公立中であれば、中学3年生で学習する内容がスタート、高校受験でも頻出の単元が目白押しです。全体的な抽象度がぐんと上がります。

すなわち、勉強をサボって積み残しをつくってしまうと、後での取り戻しはどんどん困難になっていきます。中学3年生で始まる高校内容への接続はかなり辛いことになるでしょう。

中だるみは生じます。しかしそれを「本格的なたるみ」に進化させてしまってはいけません。

「本格的なたるみ」に陥らないために

まずは「自分が中だるみにいる」ということを生徒本人に自覚させることが大切です。

保護者の方も生徒本人も少し息苦しいかもしれませんが、気持ちの手綱を緩めきってしまわないことです。
「しんどいけど宿題やらなきゃな」「明日小テストだし対策しとくか」など、なんとか日常に食らいついていくことが肝要です。中学生にありがちな、やるか、まったくやらないかの「0-100行動」が最も良くありません。

何か少しでも継続させましょう。ゼロでは何も残りません。10でも5でも積み重ねておくことが、学習内容の取り戻しの際にも生きてきます。

「中だるみ」の自覚がない生徒さんには、保護者の方が率直に伝えてしまうのもいいでしょう(お説教ではなく、淡々と)。反発もあるかもしれませんが、何らかの形で子どもの心に残るはずです。

川上は市役所の福祉部署にいた際に、いわゆる困難事例(お金でも人的支援でも簡単には解決できません)と呼ばれるケースを見てきました。
一般に人があまりよくない循環に陥っているとき、魔法のような解決法というのは存在しません。不足しているところに何かを与えれば終わり、というものではないからです。根本的な解決に向かうためには、結局のところ周辺の仕組みや環境を整えていくことが必要になるのです。

その際に求められるのは、本人を孤独にせず、必要な誰かが辛抱強く関わり続けることです。

しかし成績不振の真っただ中にいる時は、本人もそれを支える保護者の方も、精神的に疲弊しがちです。
先の困難事例もそうですが、外部サービスも利用してそれぞれの適切な役割分担のもと、皆で本人をサポートしていく方が望ましい方向に向かうことが多いように思います。

西荻塾の中だるみ回避への取り組み

「塾講師」はある意味保護者の方よりも、生徒本人と勉強のことを話しやすい立場にいます。

なぜなら塾講師が勉強のことを話すのは、ラーメン屋さんがラーメンを提供するぐらい自明なことだからです。
多少しつこく課題の進捗を尋ねようが、土曜の自習教室に誘おうが、生徒も「塾の先生の仕事」を知っているから素直に耳を傾けてくれることが多いです。塾という環境の影響も大きいでしょう。

「中だるみ」が見えてきた生徒には、具体的な行動の計画をあえて細かく決めるようにしています。
自習の約束も担当講師の前で行います(意外と効果的です)。とにかく塾や講師との情緒的接点を切らさず、学習習慣を目に見える形で維持することが目的です。

そうやってやるべきことを、切らさずやっていくことで、生徒の年齢的な成長にしたがい「中だるみ」はいつしか解消されていきます。

生徒本人だって「勉強ができなくなってもいい」とは思っていません。ただ「楽しく遊んでいたい」だけなのです。
その非常に人間らしい感情を大切にしつつも、一方では「やるべきことはやる」というこれまた人として大切な姿勢を地道に粘り強く説き続けています。

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