大学受験

大学受験部が目指す「英語の力」

最大公約数としての「英文読解力」の養成

「英語」とひとくくりにしてもその中身は多様で(その結果、入試問題も多様です)、わかりやすく分けるのであれば現在多くの英語能力検定試験で技能の柱として提示される「Reading」「Writing」「Listening」「Speaking」の4分野と考えてよいでしょう。その中で教科入試による入学試験で大きな比重を占めるのは現在のところ「Reading」になります。

ですので、当塾の英語の授業においてまず鍛えていくのは「Reading」の力(以下では「英文読解力」と置き換えます)です。

では、英文読解力を伸ばし、得点力を身に着けてていくのに必要なツールは何か。それは大きく分けて「英文法の知識」「語彙・熟語の知識」「英語の語順で読む力」「解答力」の4つであると考えています。

その中で、まず最初に身に着けるべきは「英文法の知識」と「語彙・熟語の知識」です。この10年ほどで入試問題も様変わりし、「英文法の知識」については、共通テストのように表向き直接その部分を問う出題が消滅し、「文法しっかりやるなんてなんて時代遅れでは?」という声もあります。しかし、合格ラインが高得点化している現在の教科試験による入学試験では、英文法の知識なしではそのラインに到達するのは難しいでしょう。

さて、その「英文法の知識」「語彙・熟語の知識」ですが、高校1年次は焦点はここにあります。「英文法の知識」とは、不定詞や関係代名詞といった項目をきちんと学習することで、日本語と異なる英語の表現の構造を、つまり英語の骨組みを理解し習得することです。その目的は空欄補充の四択問題の正答率を上げることではなく、英文を読み解く際に、できるだけ的確に意味をとるツールを習得することにあります。そして、その骨組みに肉付けをしますが、それが「語彙・熟語の知識」です。本格的に志望校の受験に備える高3に入る頃には、語彙や熟語の知識の部分が入試問題レベルに対応できるところまで準備ができているとこが重要です。

次に「英語の語順で読む力」ですが、こちらは上記で身に着けた力を運用していく局面です。英語を日本語の語順に置き換えて読むのではなく(共通試験をはじめ文章量が増加し続けている現在の英語の入試では、その読み方では問題を解き終えることはできません)、主語→動詞→残りの要素の順で、加えて修飾語が被修飾語の後ろに来る順で、意味を取る作業を、高校1年の後半から徐々に取り入れていきます。

最後に、「解答力」です。共通テストや私立大学で主に採用されている解答が選択式の問題では、設問を理解し、その解答根拠となる箇所を英文の中で探し当て、選択肢を吟味して正答を探しあてる一連の作業をできるようになることです。また、国公立大学二次試験に多い記述式の問題では、上記の作業をした上に自ら日本語や英語で解答を表現できるようになることです。当たり前のように思われるかもしれませんが、問題文や選択肢が露骨にわかりやすい英語検定等の試験ではこの力はなかなか鍛えられません。高校2年次の冬近くからは、この手前で習得した「英文法の知識」「語彙・熟語の知識」「英語の語順で読む力」を最終的に「解答力」につなげ、志望大学・学部の入試にチューンアップせていきます。

以上が、当塾の大学受験部で育てるメインの力、「英文読解力」です。

※もちろん、上記のみならず、時期をみて英語検定試験の資格取得を勧めており、それに合わせた指導もあります。

難関大学を目指して

国立難関大学や私立の早慶上智とMARCHの一部学部の志望者には、英検準一級(ないし同レベルの資格)の取得ができる指導を基本的に行います。ご存知のように、一部の大学・学部では英検等の検定試験の結果がそのまま採用されたり受験の必要条件となっており、その取得が必須でなくとも、入試問題自体がそのレベルの知識を含みます。外国語や国際系の学部ではそのレベルの力を備えた受験者が普通です。

具体的には、まず「Writing」の指導です。文法的知識では基本例文の英訳トレーニングに始まり、その後表現上重要な構文等を含む和文英訳、そして入試に課される場合は自由英作文を添削指導します。

また、「Listening」については、学習方法の指導と定期的なチェックを実施します。「Listening」は、日々短時間でも継続的な学習を進める必要があります。入門段階から使用する教材をそろえており、音読やDictationの取り組み方や、入試問題の演習方法などを時期に応じて指導し、合格に必要な得点を安定して確保できる力を養います。

なお、入試問題においてこれらの得点の比重が高い場合や英語を入試の得点源にしたい場合は、受講講座として高2から「インテンシブクラス」を設置しており、上記の力を伸ばすのに特化したカリキュラムで授業を進めます。

授業の中で強調すること

最後に、ここまで述べてきた力をつけるにあたり、授業の中で常に強調することをお話ししておきます。

どの教科・科目もそうですが、英語の力を伸ばしていくには、日々の継続的な努力が必要です。語彙は単語帳を一周すれば身につくものではありませんから、最終的には20回、30回と繰り返していくことになりますし、その中では、まずは見出し語の意味だけを覚える、次に訳語を複数覚える、さらに日本語から英語に変換するといった様々な取り組みをすることになります。

こうした過程は、高校受験で私立上位の高校を目指し学習した経験のある人たちであれば、そう特別なことではないと思いますが、都立の共通問題入試の高校を受験したり、中高一貫校在籍で高校受験のなかった生徒たちにとってはある意味カルチャーショックの面もあるだろうと思うほど、大学入試のための英語は身に着ける知識量が膨大です。ですから、「勉強しているのに、なんで伸びないのかな?」と思う場面は多々あると思います。

ですが、それがある意味普通です。力がついて得点が伸びてきた生徒は、相当やりこんだのだろうと思える単語帳を、付箋だらけの文法問題集を、何度も読み直した後のある英語長文プリントを持っています。それらは、短い時間でも毎日少しずつ繰り返した結果であり(ちなみに、英語は隙間時間の学習がしやすい教科です)、「結果でないな」と感じながらも学習を止めることなく続けた証拠です。英語はこの姿勢が一番重要です。数学と国語の勉強をする合間に10分あれば、英単語を100個復習できます。文法問題を20問解きなおせます。基本例文を10は書き出せます。速読英単語で5パラグラフのリスニングができます。こういう努力を授業の外で常に続けること、それを授業の中で繰り返し伝えています。

そして、この繰り返しの先に、ある時ふと「読める、読めるぞ」みたいな瞬間がやってきます(誇張ではなく、ほんとにそんな感じです)。その瞬間を西荻塾の講師と一緒にぜひ。

-大学受験